九州産業大学ランドスケープ
Kyushu Sangyo University Landscape Design

Architizer "A + Awards"(USA)特別賞 (2015)
第27回福岡市都市景観賞ランドスケープ賞 (2017)
「屋外に広がる学生ラウンジ」

九州産業大学における開学50 周年の記念事業として、キャンパス・ランドスケープの再整備が数年かけて段階的に行われた。このプロジェクトでは、従来のキャンパス・ランドスケープに見られる格式や形式といった視点からではなく、“九州産業大学らしさ”“九州産業大学ならでは”といった視点を重視した。特に、九州産業大学には豊かな自然、高低差のある地形、キャンパスを横断する水路など特徴的な環境を有しており、それらを活かした環境の中で、学生たちの賑わいが満ちるようなキャンパス・ランドスケープを提案したいと考えた。また、プロジェクト全体を通して「つなぐ」をテーマに展開しており、建物とランドスケープ、広場と広場、人と人を繋いでいき、キャンパス・ランドスケープ全体が屋外に広がる “学生ラウンジ”のような環境となることを期待した。

・中央広場 -様々な活動が混ざり合う交差点-
舗装と芝生の境界線を、人の歩く道筋に呼応した緩やかな曲線で描くことによって、動線機能を確保しつつ、多様な活動の場を同時に提供している。治水・排水を目的として利用されていた水路は、緑に囲まれた親水空間としてキャンパスの新たな魅力となっている。広場の中央にある円形のパーゴラは、脚元の機能に応じて幅員を緩やかに変化させることで、キャンパスの中心性や拠り所を柔らかく提示している。パーゴラを中心とした中央広場は、動線空間と滞留空間とを一体化することにより、様々な活動が自然に混ざり合う空間となっている。

・スタンド広場 -キャンパスの新たな地形-
スタンド広場は、既存の高低差を利用し、グラフィカルで印象的な棚田を形成している。棚田は多様な場を提供する滞留空間で、その中を動線機能としての階段が横断している。棚田と階段は一体的な“地形”を形成しており、その“地形”は見る角度によって多様な表情を見せる。スタンド広場は当初の地形を活かしつつ、新たな機能と魅力を付加した空間へと再生されている。

・北門アプローチ広場 -活動が広がる通り-
北門アプローチ広場は主に動線空間であるが、ゆとりのある幅員を活かし、学園祭時には露店が並ぶ滞留空間としても利用できるように計画している。通りとしての直線的な設えの中に、繊細な配色を施した舗装パターンや既存樹周りの花形のベンチなどによって、親しみや居心地の良さを感じる空間となっている。

・坂道の広場 -歴史をつなぐ静かな憩いの場-
開学当初からあった狭くて急な坂道を、階段を設けた歩行者専用の空間に変化させ、人の流れと滞留を重ねた。既存の桜や銀杏、モミジなどの大木を残しながら、アジサイなどを追加し、四季を感じる木陰の静かな憩いの場となっている。


  所在地:福岡県福岡市東区
規模:2.0ha
設計:2010.06-2011.09
施工:-2012.03
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